信大山岳科学総合研究所(松本市)は7日、北アルプス・上高地一帯の自然環境の在り方などについて考える「第3回上高地談話会」を松本市の信大理学部で開いた。松本市、林野庁、環境省の担当者が文化財、国有林、国立公園の側面を持つ上高地の現状や今後について話し、約100人が聞いた。
同市安曇支所で文化財保護を担当する大和則祥さんは、上高地が文化財保護法に基づく特別名勝・特別天然記念物に指定された「文化財」であることを紹介し、「多様な植生や独特な山岳景観が評価されている」と指摘。市も積極的に上高地の保護にかかわろうと、来年度に上高地の保存管理計画をつくり、文化庁から山小屋の改修などの際に必要な許可の権限移譲を受け、申請から許可までの期間短縮を目指す−とした。
林野庁中信森林管理署(松本市)の下平敦署長は国有林である上高地一帯で進める崩壊地の保護や登山道沿いの危険木除去事業などを紹介。環境省松本自然環境事務所(同)の大坪三好所長は上高地の将来像に関し、「現状を大きく変えると魅力が失われてしまう」と述べ、観光シーズンの県道上高地公園線の渋滞緩和策などを探りつつも、大幅な入り込み増につながるようなインフラ整備などは避けて国立公園としての魅力を維持するべきだとした。
会場からは、行政の保護・管理施策に一般市民の声を反映させる仕組みづくりを求める意見が出た。